2015年1月11日 /研修報告
冬の雑木林での活動の一つ"落ち葉はき"。
普段、公園内の雑木林で様々な活動を行っているbirthスタッフですが、
実際に落ち葉はきを経験したことがないメンバーも。
そんな訳で、埼玉県入間郡美芳町にある三富新田に落ち葉掃き体験に行ってきました!
三富新田は、川越市、所沢市、狭山市、ふじみ野市、三芳町の埼玉県西部にまたがる
野菜生産が盛んな耕作地帯。
新田開拓が行われた約300年前から、落ち葉堆肥を使った循環型農業が受け継がれ、
周辺には、屋敷・畑・雑木林が一体となった細長い区画が連なる、この地域特有の風景
が広がっています。
この活動は、地元の農家さんが集まった"三富落ち葉野菜研究グループ"が中心となり、
「農業をもっと元気にしたい!」「三富の伝統を伝えていきたい!」
との想いから、17年間続けているとの事です。
今回、農家の方達だけでなく、子ども連れの家族や市民団体、埼玉県の職員等、約
40人が参加していました。中には、6年は参加しているというベテランも!
作業にあたり、雑木林を所有する早川 徹さんより、落ち葉掃きの方法について教わりました。使う道具は、ホームセンターではなかなか売っていない爪の細い"熊手"と"はちほん"と呼ばれる大きなカゴです。
この2つの道具は、職人さんの手で作られてきた伝統的なものですが、今は作り手が殆どおらず、とても貴重なものになっているそうです。
方法やコツが分かったところで、さっそく落ち葉掃きスタート!
NPO birthのスタッフも一生けんめいに熊手をかいていきます。
ある程度、落ち葉が集まったら"はちほん"に投入。
一度に沢山の落ち葉を抱えるのには、ちょっとしたコツがいります。
始めは、スーパーの袋ほどの量しか抱えられなかったスタッフも、だんだん慣れ、大量の落ち葉を運べるようになりました!
更に、"はちほん"に沢山の落ち葉を入れるため、全体重をかけ、上から踏み込んで圧縮します。こうすると、ただ落ち葉を入れた時の2倍以上の量を入れることができます。
ポイントは、真ん中は踏まず、端っこを中心につま先で押しこむこと。
真ん中を踏んでしまうと、全体が固くなり、落ち葉を出す時が大変なのです!
沢山の落ち葉がつまった"はちほん"は、ゴロゴロと転がして運びます。
持ち抱えるには重たいカゴも、転がすと楽に運べます。
待ちに待ったお昼には、堆肥を使って育てられた三富産の野菜がたっぷり入った「けんちん汁」をいただきました!
だし汁の洗礼を浴びた、さといも、にんじん、ごぼう、だいこんといった素材達が絶妙のハーモニーを奏で、この素朴で優しい味が、疲れた体をあたためてくれました。
午後2時頃、落ち葉掃きが終了し、林の中が見事にすっきり!
この日集めた落ち葉は、約一年かけて堆肥にし、畑づくりに利用されます。
春や新緑の季節には、この林がどんな様子になるのか楽しみですね。
今回の落ち葉はきを通して、三富新田の歴史と文化、そこに暮らす人々の知恵等を体感することができました。
この貴重な経験をわたし達の仕事の中でも活かし、昔の人が大切にしてきた自然と風景を守り、育てていきたいと思います!