今日から3日間でなんと72もの事例が紹介されます。その中で私たち日本チームもワークショップを担当し、3つの事例を紹介しました。
田代順孝先生(千葉大名誉教授)からは、日本のアーバンガーデニングのバックグラウンドが説明されました。盆栽、朝顔など古くから緑とともにあった日本の都市文化、その背景にある里山での暮らし、密集した都市空間の中で少しでも緑を求めようとする下町の様子などの写真に、参加者は熱心に見入っていました。
日本の課題として、コミュニティの希薄化、高齢化、生物多様性の低下、自然からの乖離などがあげられ、その中でNPOや草の根の市民団体などが活躍をはじめていることが話されました。
平田富士夫先生(兵庫県立大学教授)からは、高齢化社会におけるアーバンガーデニング。
高齢化が進む古い団地の商店街の活性化とコミュニティの再生をはかるための野菜市の模様や、アメリカとの比較などが話されました。
秋田典子先生(千葉大准教授)からは、東北の被災地でのコミュニティガーデン活動。千葉大生が、被災地で自分たちの無力さを感じながらも、被災者の人たちと心通わせ、まちに花々と笑顔を増やしていく活動が紹介されました。
そして、佐藤事務局長(NPO birth)からは、コミュニティガーデン活動を持続させるためのストラテジーについて。
ラストを飾ったのは、東京ガーデンシティのビジョン。丹さんの絵は万国共通、誰もが喜んでくれるあたたかい絵です。
そして、ワークショップのファシリテーターは、ワシントン大学のダニエル・ウィンターボトム教授につとめていただきました。
日本の事例を聴ける機会はなかなかないと、熱心な参加者が集まり、1時間15分があっというまに過ぎ去りました。議論はこれから!というところで、時間切れになり、もうちょっと長く話合いを続けたいところでしたが・・。
birthのプレゼンテーションはとてもわかりやすかったようで、参加者より帰り際に「Good presentation!」とほめていただきました。また5部だけ用意していたコミュニティガーデナーのテキストは、みんなが欲しい!と、あっというまになくなり・・日本語なのに・・。
あらためて、コーディネートや中間支援組織の必要性が、ますます高まっていることを痛感した次第です。
終了後には、無事ワークショップを終えて、ほっとしたチームメンバーと記念写真。
ダニエルさんからは、プレゼンターへの記念品として、シアトル市のコミュニティ担当部署のバッグとTシャツをいただきました。
こんな貴重な機会をいただいて、ただただ、感謝の気持ちでいっぱいです。呼んでくださったみなさん、送り出してくださったみなさん、ありがとうございました!
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<追記>
終了後には、同じ時間にワークショップを担当していた韓国チームのみなさんと、日韓交流タイムを持ちました。なんと韓国では、国をあげてアーバンガーデニングの法律をつくり、2012~17年の5年間で、シティファーマー(余暇にまちなかで野菜づくりを楽しむ人たち)の数やガーデン面積を何倍にもするという目標を立てて、推進しているそうです。これにはびっくり!!
その背景には、コミュニティとのつながりが切れて、自殺などの社会問題が急激に表面化してきたことがあるとのこと。日本もまったく同じ問題がありますが・・・うーん、お隣の韓国、やるなぁ~!