9月上旬に、スイス・バーゼル市でIFPRA(International Federation of Parks and Recreation Association)のヨーロッパ大会が行われました。http://ifpra.jp/congress/index.html
その中で、NPO birthが行っている、東京でのアーバンガーデニング事例を発表する機会をいただくことができました。
発表が決まった5月から、数か月かけて田代順孝先生(千葉大学名誉教授)と準備を重ねてきた成果が実り、プレゼンは大成功でした! 大会レポートを、お届けいたします。
開催地のバーゼル市は、スイスの北、ドイツとフランスの国境近くにあたります。こちらが、大会会場のバーゼル大学。
大会の横断幕が、ユニックに!(3日間、このままでした)。左が田代先生です。
受付で、参加者に名札やパンフレットと記念グッズが配られました。パンフレットは3か国語(英語、フランス語、ドイツ語)で書かれています。アーミーナイフで有名なWENGER社のザックは、とてもしっかりしていてデザインも美しく、大会期間中重宝しました。
さらにこのあと、ずっしり重い、大会ロゴが入ったアーミーナイフもプレゼントされました。
会場に入ると、展示スペースでは施設関係の会社が出展していました。木材を使った施設や遊具の会社が目立ちます。
いよいよ開幕。ヨーロッパ大会らしく、ホルン隊の演奏が奏でられました。
今回の大会のコンセプトはBeyond Boundaries(境界を超えて)。これからの公園管理には、立場を超えて、さまざまな人たち、団体がつながっていくことが必要なんだ。そんな意味が込められています。
テーマは3つ。
1)気候変動と人口変動の中での、公園緑地への新たな期待。
2)都市生活でのトレンドとなりつつある都市農業・アーバンガーデニング。
3)低予算の中で高品質の緑地を維持するには?
3日間の大会期間の中で、これらのテーマに沿った基調講演とセッション、そして視察ツアーが開催されました。
1日目の午前中は、スイスのD'Amato教授より、気候や人口の変動の中での公園緑地の必要性についての基調講演があったあと、2つのセッションに分かれて10個の事例紹介が行われました。
そして午後の基調講演では、ドイツの都市計画の研究所、ILS(Research Institute for Regional and Urban Development)ディレクターのFox-Kamperさんより、都市における農業やアーバンガーデニングは、都市緑地のルネッサンスといえる、新しいトレンドである!とのお話がありました。そして、その発展のためにはコーディネーターが必要!とも。
次は英語、フランス語、ドイツ語それぞれにわかれてのセッション、合計12の事例発表がありました。私は英語のセッションの一番最後のプレゼンターでした。いよいよ発表です。タイトルは、「東京におけるアーバンガーデニングの戦略」です。
人口が密集する大都市、東京でのアーバンガーデニングの必要性と課題、そしてその解決策について講演しました。
英語でのプレゼンテーションははじめてでしたが、聴いている人に楽しんでもらいたい!の気持ちでがんばりました。
戦後、東京が一極集中の中で都市開発が進んでこと、
土地がえらく高いこと、けれど人々はグリーンスペースをのぞんでいること、
その中で、アーバンガーデニングが都市のクオリティを高める活動として注目されていることをお話し、
三鷹市のコミュニティガーデンづくりの事例を紹介しながら、
コミュニティガーデン活動を持続させる戦略、3つのステップとコーディネーターの必要性について説明しました。
そして、最後のしめの一枚は、東京の将来ビジョン!コミュニティガーデン活動が広がることにより、緑いっぱい、笑顔いっぱいの東京が実現する様子が、画面いっぱいに映し出されました。
「This is the end of my presentation.」。話し終わったとき、会場から大きな、そしてあたたかい拍手をいただきました!
セッション終了後も、聞いてくださった方々が席にやってきて「Your presentation was great!」と口々に言ってくださったのには、とても感激しました。その後も、2日目の基調講演者のBoulens氏(フランスの行政マン)が、講演の中で「東京のMs.Satoの事例はとてもよかった、参考にしたい」と言ってくださったり、パーティやツアーで一緒になった方々にも次々にほめていただきました。本当にがんばったかいがありました!
今回のプレゼンテーション作成には、田代先生はじめ、birthスタッフ(デザイン:明瀬、イラスト:丹)、NPO法人花と緑のまち三鷹創造協会、NPO法人Green Worksのみなさんほか、たくさんの方々の力をお借りしました。作成に関わった一人一人の想いが結集したからこそ、言葉の壁を越えて、私たちの取組みが伝わったのだと思います。まさに、「Beyond Boundaries(境界を越えて)」!
今回の経験を経て、私たちの取組みが世界に通用することを、手ごたえとして実感することができました。このような機会をくださった、田代先生、IFPRAのみなさまに、この場を借りて深くお礼申し上げます。ありがとうございました!
(佐藤 留美)