各会場にわかれてのセッションでは、「Different Kind of Street Demonstration: Making Roadways More Like Park(公園のようなストリートをつくる)」に参加。コーディネーターとしてカプラン財団のシティライフプログラム担当のハンセンさんがつき、3人のパネリストがそれぞれに事例紹介をしました。
トップバッターは、デンマークの設計コンサルタント「GEHL ARCHITECTS http://www.gehlarchitects.com 」のヘレさん。GEHLは、国際会議では必ずといっていいほど招待される、世界各国で活躍中の設計会社です。環境と人の暮らしを結びつける彼らの手法は、いまや世界中で応用されつつあります。
「Cities for People」というタイトルのプレゼンでは、デザインの力でストリートがまったく違う価値を持つこと、生き生きと人の暮らしを輝かせるようになることが、話されました。
ヘレさんのお話で心に残った言葉はこちら。「自転車に乗る人に、なぜ自転車を使うかと聞けば、『健康のため』と答えるかもしれない。確かにそうだけれど、実際には、自転車に乗りやすいアクセス(道)があるかないかということが、人が自転車に乗りたくなるかどうかを決めるのよ。」
自転車のアクセスをよくした結果、コペンハーゲンでは通勤通学に自転車を使う人が、全体の37%(公共交通機関も抜いて最多!)にのぼり、
冬でも、このとおり! 自転車通勤通学の人が、冬も自転車を使う率は70%もあるそうです。
次のプレゼンターは、シアトル交通局のシンプソンさん。
シアトル市では、道路をオープンスペースとして、人が集ってイベントをしたり、くつろいだりできる場所にどんどん作り変えているそうです。
シアトル市内のたくさんの事例が紹介されました。
3人目は、ニューヨーク市のパブリックスペース(公共空間)担当のコミッショナー、シュワルツさん。http://www.nyc.gov/dot
「すべてのニューヨーク市民が10分以内に公園緑地に行ける」という目標を達成するべく、どの地区にオープンスペースが不足しているかを調べたデータが示されました。
空間があれば、このように! これは、路面に色を塗って、野外卓とグリーンを配置するだけで、お金をかけなくてもできる例。
イベントも大事!と。先日のブログでお伝えしたタイムズスクエアもイベント企画がたくさんありましたが、市の方針も同じです。
そして、欠かせないのがパートナーシップ。まちづくりに関わるNPOとともに、アウトリーチ(住民に意見を聞く機会をつくること)やデザイン計画、メンテナンス、保険、イベントプログラム企画、予算獲得計画をつくり、実行しているとのこと。
最後に全員が登壇して、会場との質疑応答が行われました。この写真がまた、シンボリックですね♪
このセッションでは、'まちなかのストリートが、公園のようになったら!'を、実践している各地の事例と手法を、たくさん聞くことができました。公園以上に暮らしに密着している道路。中心街の歩行者天国だけではなく、どのまちかどにも、こんなスペースがあったら・・。そこに人が集って、笑いあり、おしゃべりあり、の、楽しい場所になったら、どんなにまちが変わることでしょう。
こんなストリート、あなたのまちにもいかがですか?
(佐藤留美)