会議2日目には、各所でウィークエンドツアーが開催されました。私は「Trail of the Squares(スクエアめぐり)」に参加。マンハッタンの真っただ中にある、ワシントンスクエアからタイムズスクエアまで、合わせて5つのスクエア(公園・広場)をめぐるツアーです。
以前のニューヨークを知っている方ならば、マンハッタンのスクエアといえば、とっても危ない場所、といったイメージがあるのでは。今回のツアーでは、いまや見違えるように変わったスクエアの様子を、各スクエアの管理団体の方から、熱く語っていただきました。
まずはワシントンスクエア。5thアベニューの突き当りにどーんと建っているのが、ワシントン大統領就任100周年を記念したワシントン・アーチ。映画にもたくさん登場するアーチですので、見覚えのある方も多いかも。ツアー参加者は、この下に集まりました。
ツアーのコーディネートは、アートソサエティ( The Municipal Art Society of New York http://mas.org )のシポラ会長。ニューヨーク市の都市計画やデザインの提言を行っているNPOです。
ワシントンスクエアは、1826年につくられ、最近では2007年以降、改修がすすめられています。開園当初の地図をバックに説明しているのが、改修設計担当のランドスケープ・アーキテクト(*)、ベロナキスさんです。 *ランドスケープ:景観、アーキテクト:設計者。
スクエアの中をぞろぞろ歩きながら、説明を聞く参加者。右のサングラスをかけている女性は、香港から参加しているランドスケープ・アーキテクト、ヘレンさん。会社のスタッフ4名で参加しているそうです。
ベロナキスさんによると、改修では、道や広場の舗装をなおしたり、噴水を広場の中央に移動してライトアップするなど、大掛かりな工事のほか、ベンチをたくさん置くなどしたところ、たくさんのイベントが開催されるようになったとのこと。今日も大道芸人が来るイベントがあるようです。
噴水も大人気。たくさんの人が集まっています。水の中に入っちゃっている人もいるけど、みんな気にしていないみたい。
さて次は、ユニオンスクエア。ブロードウェイに面しているこの広場は、1832年にできてから、メイディなど労働者のパレードが行われることで有名です。ニューヨーク市役所マンハッタン区のコミッショナー、カストロさんにお話を伺いました。
カストロさんのお話で、一番印象に残ったのは、「公園管理で一番大切なことは、『座る(シット)』場所をつくること!」。そうなんです、ニューヨークの広場や公園は、なんとベンチだらけなんです!
これも市内の公園でよく見かける、どこまでも続くなが~いベンチ。
みんな、思い思いにリラックスして、のんびり過ごしています。
市職員の方が、こんなことを言うなんて!と、とっても嬉しくなってしまいました。「公園は座るところ」というのが、ニューヨーカー(市民)の常識になっているんですね。
そしてもうひとつ、これもいたるところで耳にする言葉が「パートナーシップ」。
いまやニューヨークの公園管理は、パートナーがいないと成り立たない状況です。
ユニオンスクエアを管理している団体の名前も、「ユニオンスクエア・パートナーシップ http://unionsquarenyc.org 」。ホームページを見てみると、ユニオンスクエアが、ほんとうにたくさんの人々の力で支えられていることがわかります。
清掃員さんのユニフォームにもロゴが入っていて、しっかり団体のPRになっています。
ここでは、年間、何千ものイベントやマーケットの申請があるそうです。人が集まれば、ゴミもたくさん落ちていそうですが、清掃員さんが常に巡回していたり、こんなおしゃれなゴミ箱があるためか、園内はとってもきれいでした。
さて次は、マディソンスクエアです。4代目大統領の名前から名付けられたこの広場は1847年に開園しました。
マディソンスクエアの運営状況を語ってくれたレィディさんは、マディソンスクエアパーク・コンサーバシィ http://madisonsquarepark.org/ の管理担当チーフです。運営費は、周辺ビルの企業やイベントプログラム、財団や寄付からの資金でまかなっているとのこと。
さて、この広場の一番の売りは、ここ!。 とーっても流行っている公園カフェ。ガーデンに囲まれていて、屋根の上にも緑があって、思わず立ち寄りたくなるデザインです。
サプライズ! お店のオーナーがアイスクリームをふるまってくれました。
暑い中、歩きっぱなしだったので、これはうれしい!
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この公園のもうひとつの売りは、ガーデンとのこと。全部で16名のガーデナーが働いているそうです。
紺色のTシャツを着ているガーデナーたちが、低木の刈込み作業をしていました。
ホームページにも、こんなサイトがありました。http://madisonsquarepark.org/about-the-park/horticulture
ここにあるHorticultureとは、一言でいうと「園芸」ですが、公共のための園芸といった、ちょっと深い意味がある言葉。
そしてここにも、なが~いベンチが。
後ろのドッグランのベンチは円形でした!(でも座る位置が違うような・・・)
3つのスクエアを紹介しました。次のブログでは、感動!の、ブライアントパークとタイムズスクエアをお届けします。
(佐藤留美)