まだまだ時差ぼけが残るサンフランシスコ研修2日目。
サンフランシスコは現在雨季ですが例年に比べ異常なほど雨が降らず、乾燥しています。実際に日中は日本よりもずっと暖かく、長袖シャツが一枚あれば十分なほどの陽気です。
今日は研修受け入れ団体であるJPRNオフィスにて、研修プログラムのオリエンテーションが行われました。
私達が研修中滞在しているのは、バークレイにあるユースホステルのような施設。ここからまずは事務所まで、BARTという地下鉄を使って移動しなければなりません。
移動は研修生たちだけでで行います。(事前にBURTの乗り方や、移動の際の注意点などはレクチャーを受けています)
コーディネーターとは到着駅で待ちあわせるのです。
ボランティアというのは、自己責任が伴います。何でも至れり尽くせりというものではありません。必要なことに関してはサポートが入りますが、意識としては、「お客さん」ではなく、活動メンバーの一員なのです。英語で分からないことも、「訳してください」ではなく、「この単語は英語で何と言いますか?」と聞いて、英語で自身が話す必要があります。
こうした小さなところでも、コーディネーターとボランティアとの関係や意識について、日本との大きな違いを感じます。
目的地の駅につくと、今日のエスコート役である、JPRNコーディネーターのウミさんが待っていました。簡単な自己紹介の後に、事務所までの道を歩きながらOaklandの街並みを説明してくれました。
中華街もあり、中国系の方も多いこの地域はBerkeleyとは異なり、十字路を斜めに歩道が交差するスクランブル交差点があります。これはアジア系の移民が訪れたばかりの頃に交通事故が多く、その背景に交通ルールなどの文化の違いがあったっためで、この問題を解決するために、市民運動で道路上にほかの地域ではあまり無いスクランブル交差点のラインが出来たそうです。町の仕組み見るだけでも色々な背景が見えてきます。
JPRNのオフィスに着いてからは、各人の自己紹介やこの研修に参加した目的を話し合い、共有しました。また、ボランティア活動を行う上での注意点、心構えなどについてオリエンテーションを受けた後、NPOとは何か、ボランティアとは何かについて、様々な視点で参加者全員でディスカッションを行いました。
日本でNPOというと、まだまだマイナーなイメージがあるかもしれません。
もしくは、自然や福祉といった、比較的成功している団体がある一部のNPOのイメージが強いかもしれません。アメリカでは、実に様々なNPOがあります。暮らす上で必要なことがあり、それが行政のサービスとして受けられないものに関して、「何とかしなければ」という問題意識がわき、それがNPOの活動となるのです。
面白いのはNPOの活動がより具体的であること。
言い換えれば、その団体が「何をするか」という目的がはっきりしているといえます。
たとえば「環境を保全する」という漠然としたミッションはありません。
どこの自然、どこの環境、どう保全するか、それがミッションの中にはっきりしています。
また、障害者の差別をなくす団体であれば実際に当事者(=障害を持っている方)が所属しているなど、必ず市民の声がボトムアップする形になっています。日本ではどうでしょうか。必ずしも当てはまらない団体もあるかもしれません。
明日からは実際にボランティア体験が始まります。
今からとても楽しみです。