「よしゅく」と読みます。
どんな意味かと言えば、「あらかじめ祝う」という意味です。
これだけではまったく分からないと思います。
この「予祝」に「行事」をつけると「予祝行事」となります。
こっちの意味は、「主として小正月に、年間の農作業のしぐさを真似たり、木の枝に餅などをつけて実りを表したり、害獣を追うしぐさをしたりして、その一年間の豊穣(ほうじよう)を祝い願う行事。庭田植え・繭玉(まゆだま)・鳥追いなど。」とあります。
つまり、「良いことが起こることを願って、先にお祝いをしてしまうこと」を予祝行事といいます。
先に祝ってしまう。良く考えてみるとすごい行事ですね。
前置きが長くなりました。今日は、里山民家で、予祝行事である「繭玉飾り」が行われました。
「繭玉飾り」は、餅を丸めて木の枝にさし、作物の豊作を祈念する飾り物です。かって養蚕が盛んだった関東では、蚕の豊作を願って飾られました。もちろん、里山民家のある狭山丘陵一帯では、養蚕や絹織物が主産業であったため、とても大切な行事でした。
今では、養蚕も織物もすたれ、繭玉飾りの習慣も薄れてきましたが、里山民家では、ボランティアが繭玉飾りを継承しています。里山民家の裏田んぼで収穫した米で繭団子を作り、裏山で切り出してきた木の枝にさしてこしらえた繭玉飾り。形だけではなく、心意気も今に繋げています。