本日、お台場で行われた生物多様性のセミナーに参加してきました。
「国土交通分野における地域の生物多様性保全活動の推進に関する地方セミナー」という、非常に長いタイトルです。
午前はエクスカーションとして、お台場学園(港陽小・中)の環境学習の取り組みについての現地見学、
午後は各分野の先生方による事例紹介とパネルディスカッションが行われました。
写真は、会場となった、港区のお台場学園です。
お台場で環境学習を考える際に、地域ならではのものとは何か?
埋立地の環境、アイデンテティとは何か。
本来の自然とは何かを考えたときに、難しいテーマと私は感じました。
ここの地域連携の基礎を作ったNPO「海辺づくり研究会」は、埋め立て
以前の歴史に着目し、海苔づくりを通した「海づくり」を掲げました。
学校、PTA、NPO、自治体、漁協などが協議会を作って活動を形にした
ようです。
これらの視点もよいですが、子どもたちが将来に自身のふるさとを誇れるものを残したい、それを環境学習を通して体験させたいと考え、NPOに呼びかけた港区、それらの活動のベースを支えたNPO、更に地域連携に非常に理解ある現校長の力が合わさった結果なのでしょう。
こちらの校長先生は良い意味で先生らしくない方で、地域連携の考え方など、非常に僕ら公園の現場にいるコーディネーターに近い感覚を覚えました。
こうした教育者が増えれば、日本の教育は変わるに違いないと思わせてくれる素晴らしい方でした。
先生方からはハード面での手法や概念的なお話が多い中で、農大名誉教授の進士先生は、生物多様性について非常に個性的なお話が多く、私は非常に本質を突いていると感じ、とても刺激的でした。
かいつまんで言うと、
・自然再生=人間再生(自然だけを見ても失敗する)
・生態的だけでなく、人間的に考える
・環境教育とは、生きる力を養う事
・生物多様性⇒自然の持続性+社会の持続性
・精神論も大事(ハートがないと、失敗する)
というお話でした。
先生の話の一つ一つが妙にしっくりくることばかりでした。
環境学習については地域連携というキーワード、誇れる地域の自然に触れ、活動の中で生きる力を養うということ、
生物多様性については、生態学的な視点だけでなく、人間の暮らしにフォーカスするということ、
この2点が要点だった様に感じます。
僕らが今の現場で行っている考え方に非常に近くて、それが特に魅力的に感じた先生方のお話から伺えたのがとても励みになり、再確認にもなりました。
また、機会を見てこうしたセミナーに参加し、自分たちの感覚を時々確認したいと思います。