9月21日午後。東京を通過した台風15号は、日本各地に大きな爪痕を残しました。
幸いな事に東京では大きな事故はなかったようです。
それでも街路樹は倒れ、巨木は傾き、大きな枝が折れました。
写真は、武蔵村山市の里山で倒れた樹木です。
20mほどのコナラが根こそぎ倒れていました。
このコナラのほか、林内では数え切れないほどの樹木が倒れていました。
こちらの写真は、東村山市にある狭山公園の倒木です。
驚くほど大きな樹木が3本倒れています。
これは25mほどのプラタナスです。
巨大なヒマヤラスギも2本倒れています。
台風が去った翌日、武蔵野市の玉川上水沿いで大きなサクラの木が傾いているのは見つかりました。幹回りが3.6mもある巨木です。
このサクラは、道路側に傾き、木を支える主根が浮き、裂けています。
診断した樹木医によれば、いつ倒れてもおかしくないという事です。
倒れれば電線を断ち切り、また、下に人がいれば間違いなく死亡します。
一刻も早い伐採が望まれました。
しかし、当日はどこも倒木だらけで、造園業者も出払ってしまっています。また、これだけの樹木を伐採するためには、入念な計画と高度な技術、大規模な重機が必要になります。
管理者本部によるプロジェクトが動き始めました。
夕方から準備が始まり、現地にスタッフが結集したのは夜9時でした。
伐採計画が練られ、機械が設置され、住民への説明を行い、道路を封鎖しました。
職人、警察、電力会社が一致協力し、いよいよ巨木の伐採が始まりました。
段取りを再度確認し、安全確認を行い、伐採する木にお神酒をふりかけ、作業の安全を祈願します。
準備に十分な時間をかけ、いよいよ作業が始まりました。小雨が降る悪条件の中、大型クレーンが樹木を吊り、投光機が辺りを照らし、高所作業者に乗った2名の職人が根気良く枝を切っていきます。
高圧電線にもたれかかってしまっている枝。ミスれば感電死です。
チェンソーの音と現場監督の声が夜更けの街に響きます。
頭が痛くなるような緊張感の中、作業は延々と続きます。
作業開始後7時間。
無事作業は終了しました。
倒れてしまった木には申し訳ないのですが、リスクは回避できました。
職人達は、疲れた体を引きずるように白茶けた街に消えていきました。
倒木や折れ枝はまだまだ、たくさんあります。
全部片付けるのには1か月位かかると思います。
当分の間は、気が抜けません。
みなさんも樹林の中には入らないようにして下さい。
お願いします。