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どんと焼き

2011年5月13日 /里山民家だより

子供の頃、母が作ってくれたおやつ。
小麦粉を水で練ってフライパンで焼く。
こんがりと焦げ目がついたら、砂糖と醤油でつくった甘辛のたれをかける。

包丁で切るとザクザクっと音がした。

素朴で温かい故郷の味。

 

110513-1.jpg 

 

 

どんと焼きは、おやつとしてだけではなく、お誕生日会の一品としても焼かれていた。
しかし、やがて駅前に出来た不二家のケーキにとってかわり、忘れ去られた味になった。


ところが、里山民家で働くようになって、どんと焼きと再会した。
武蔵村山ではまだどんと焼きが生きていた。
といっても懐かしい味であることには変わりはないのだが...。

 

水利の悪い武蔵野台地。
水田が少ないため、小麦づくりが盛んになった。
それゆえに、うどん文化が育ち、どんと焼きも生み出された。


どんと焼き。
五月の風に青い麦が揺れる武蔵野台地の味。

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