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バードウォッチングからのメッセージ

2011年3月 7日 /研修報告

ヤマアカ望遠 035 - コピー.jpg日曜日は狭山公園でのガイドウォーク。担当のMレンジャーは「野鳥の行動にフォーカスしたバードウォッチング」というテーマで計画を立てていました。まず出迎えてくれたのは芝生広場のツグミ。そこへシジョウカラも降りてきました。桜の木ではかわいいコゲラが飛び回り、圧巻は多摩湖堤防から見たカンムリカイツブリの群れ!

 

参加者のほとんどが、「大満足」とアンケートに書いてくれた。

しかしMレンジャーは悩んでいました

*写真はコゲラ

 

なぜ「野鳥の行動」にフォーカスしたのか?

それで何を伝えられるのか?

それが明確に言えなかったのです。

アンケート結果はよかった85点のガイドウォーク。でも反省会でそこをきっちり検証する。

 ここが我々のインタープリテーションと、そうでないものの分かれ目です。 

ここから先は科学の教科書には出てこない。精神的な領域にも、勇気を持って踏み込まなくてはいけない。

 

虚心になって今日見た鳥たちのことを振り返ってみる。

コゲラはとてもかわいいけれど、スコープの中の一瞬の表情は、「森のおじいちゃん」、「森の哲学者」のようにも見える。

カンムリカイツブリの群れは、素晴らしいパレード、いや最新漁船団のチームワーク操業...

 

kannmurikaituburi 093.jpg                 *カンムリカイツブリの群れ 

 

そう!

私たちは野鳥の行動を、人間の行動に移し変えて見ることができるのです。

だからワクワクする。

ハラハラもする。

自分のことのようにも思え、応援したくなったりもする。

そこから学びとったり、悟ったりすることができる。

 

生きるために獲物を捕ること。

喧嘩の仕方。

喧嘩の終わらせ方。

真剣な恋。

親の愛情。

雛のかわいらしさ。

死!

 

今、一番身近な動物といえばペットでしょう。

犬や猫からも、私たちはいろいろなことを学ぶことができる。

でもやっぱり野鳥のように真剣な縄張り争いや、恋のための勝負や、狩りなんかもできない。

バードウォッチングから我々が得られるものは、とても多いはずです。

 

本当はタヌキやモグラのことも知りたいけど、(おっぱいあげてるタヌキなんて、すご~く見たい!)彼らの生活を観察するのは、そうそう簡単にはできません。でもバードウォッチングは誰でもできる。野鳥はいろんなことを見せてくれる。(いざとばれば飛んで逃げられるから)

 

われわれは、「生きる」とはどういうことか、簡単には答えられないようになってしまった。

それを野鳥はズバッと見せてくれる。

それがバードウォッチングの素晴らしさなのです。

野鳥の行動を見ることで、我々が現代社会で見失ったものに気づくこともできる。

大げさにいえば生きる勇気とか、未来への希望なんかも。

それが「行動」を見てもらいたいと感じた、Mレンジャーの、言葉にできなかったメッセージです。 

 

事前にここまで詰めてあれば、Mレンジャーも、もっと自信を持って、心に残るメッセージを発せたでしょう。

野鳥たちを、野生の命を「かけがえのない隣人」と感じる、少なくともその導きにはなったでしょう。 

 

雰囲気作りが上手いとか、ユーモアがあるとか、インタープリターの技術には、いろいろなものがあるかもしれない。

でもやっぱり僕は、かちっとしたメッセージがあってほしいと思うのです。

 そしてNPObirthのレンジャーならば、われわれのミッションのとおり、「未来へつながるような、人と自然の関係」を、示唆してもらいたいのです。

 

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