「これから君たちに設置してもらうお雛様は、旧家に長く伝わってきた由緒あるお雛様です。
ゆえに、粗末な扱いをすると祟られる可能性があります。
以前、このお雛様の首を床に落としてしまった人は、三日三晩高熱にうなされました。
心してお雛様を飾るように。」
こんな事を言われれば、誰だって真剣になります。
2人のまじめな青年は、祟られないように必死になってお雛様を飾り付けます。
「灯りをつけましょう♪ぼんぼりに~。
お花をあげましょう。桃の花~。」
男はつらいよ!
緊張でプルプルと震える指先。
額にはうっすら汗がにじみます。
一体、一体を雛段に座らせ、後は、各お人形が持っている弓、刀、ツツミなどを備え付けるだけです。
作業開始後2時間半、首も落とさずに、順調に作業は進みました。
めだたし、めでたし。
今年も民家の居間にお雛様が飾られました。
さぁ、みなさま
眉目秀麗の青年2人が丹精込めて飾ったお雛様です。
ぜひ、ご鑑賞しに来て下さい。