東京に降る雪は切ない。
降ってもすぐに解けてしまうから。
昔は、都心でもかまくらを作れるくらい積もったのに。
最近は一日でなくなってしまう。
だから雪遊びができるのは午前中。
朝早く起きて、広場にでかけて、雪だるまづくり。
手で固めた雪の核を転がす。
土がつかないように、雪が厚い場所を探して転がす。
玉が大きくなってくるとギシギシ音がする。
大きい玉と小さな玉をつくり、
小さい雪玉を大きな雪玉の上にのせて、
目鼻をつけて、手をつければ、雪だるま。
「雪とけて 村いっぱいの 子どもかな」 (一茶)
広場のかたわらで解けていく泥だらけの雪だるま。
冬が寒くて、雪が降って、雪が解けて、春近し。