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まゆ玉飾り

2011年1月10日 /里山民家だより

成人の日の今日。東京は冷たい風が吹く、寒い一日でした。
それでも里山民家には大勢のお客さんやボラが集い、それぞれに楽しんでいました。


今日のメインイベントは「まゆ玉飾り」
岸まゆ玉保存会のみなさんとボラが協力して、華やかなまゆ玉飾りをこしらえました。

 

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まゆ玉飾りと言うのは、まゆ玉に見立てた餅を木の枝に挿した餅花で、まゆ玉の豊作を祈念して行われる季節の催事です。今でこそ、養蚕業を営む方もほとんどいなくなってしまいましたが、まゆ玉飾りは継承されています。

 

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かつて日本は養蚕大国でした。養蚕技術は弥生時代に中国から伝来し、江戸時代には各藩が養蚕業を殖産事業として推奨したため、日本全国に養蚕業が根付いていきました。
明治時代になると絹糸は重要な外貨獲得商品となり、近代日本の国づくりの根幹となりました。

 

多摩地域一帯も一大養蚕地帯となりました。桑都と呼ばれた八王子を中心に、台地上は桑畑で覆い尽くされました。養蚕業が桑栽培という形で地域の自然環境や景観に大きく影響を及ぼしていたのです。

 

こうした歴史的背景からお蚕信仰が生まれ、まゆ玉飾りという文化が育まれました。
かつてまゆ玉づくりは、養蚕農家や地域社会にとって大切な神事でした。
養蚕地帯では養蚕収入が家計の大きな支えであったため、その作柄の良し悪しは農家にとって死活問題でした。


特に科学技術が未発達な時代には自然災害、天候不順、蚕病によっておこる不作は、人知の及ぶところではなく神にすがるしかありませんでした。木の枝に餅のまゆ玉をさして、神に蚕繭豊作を祈念する。それは私たちが想像する以上に切実な願いだったと思います。

 

110110-3.jpgさて、ここまでですと、伝統行事の話題に止まっていますが、まだ、武蔵村山市には養蚕農家と、織物屋が残っています。養蚕文化の根っこがしっかり残っているのです。

 

今後は、こうした伝統産業への助力を視野に事業を展開していきたいと思います。

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