武蔵村山市の岸では、秋から初冬にかけて、「いのこのぼたもち」を作り食べる習慣があります。時期は、11月の9日。江戸時代には10月だったそうですが、農繁期のため11月に変えたそうです。
この「いのこのぼたもち」というのは、いわゆる「ぼたもち又はおはぎ」のことで、見た目も、作り方も両者に違いはありません。
では、「ぼたもち」の前に付いている「いのこ」とは何か?
諸説あるのですが、代表的な説は3つです。
1.「亥の子」→猪です。
2.「居残りの神様」→神様です。
3.「のこった米」→古米です。
1.畑を荒らすイノシシを治めるために、ぼたもちを供えたので、「亥の子のもたもち」という説。 (こんな説もあります)
2.旧暦の10月は、地域の神様がみんな出雲の国に出かけてしまうので、何かと物騒。そこで、留守を守ってもらう神様、つまり、神様に居残ってもらうために、ぼたもちを供えたので「居残のぼたもち」という説。
3.10月~11月は新米が出回る時期。いざという時のために蓄えておいた前年の米が、いらなくなる。そこで、前年の米を始末するためにぼたもちを作ったという説。
という具合に諸説あるのですが、まぁ実際の所は、みんなで集まって美味しいものを作り、ワイワイガヤガヤ食べよう、ってだけみたいです。
まぁ、考えてみると、このみんなで集まってワイワイガヤガヤするって所に深い意味があったのでしょう。
そういえば、今日は里山民家の「いのこのぼたもち」です。
みんなでワイワイガヤガヤぼたもちを作って食べていることでしょう。
家内安全、商売繁盛、地域安泰。
ありがたいことです。