連日の猛暑でみなさんもバテ気味だと思います。
そう言えば今日は土用の丑。
商店街のうなぎ屋は、朝からケムリをモクモクだしてお客を引っ張ろうと躍起です。
この時期の里山は人もまばらでひっそりとしています。
ヒグラシの声に誘われて、夕暮れの里山を歩いていると、どこからか甘い香りが漂ってきました。
甘く、さわやかで、気持ちがやすらぐ香りです。辺りを見回すと、山裾の草むらの中にヤマユリが咲いていました。距離は5mほど離れているのですが、しっかりとした香りです。
不思議なのは、しっかりとした香りなのに、きつい匂いではないという点です。香水の場合だと、しっかりと香りを出そうとすると、匂いがきつくなってしまいます。
この違いは、香水は、時間の経過とともに消えて行く香りであり、ヤマユリの香りは、花が咲いている限りは、香りを供給しつづけるからだと思います。
つまり、後付けか、自ら発しているかの違いです。
夏の里山は、春ほど花も多くなく、魅力にかけると思われがちですが、匂いを楽しむなら夏が一番です。ヤマユリやクサギの香り、太陽光で熱せられた田んぼの香り、コナラ・クヌギの樹液の香り。
心を躍らせる夏の香りです