ズッダ~~~ン!
ピョ~~~~ゥ!ダババババババ~~ッ!
「たまや~ぃ!」
「おうっ!はっつあん。やっぱり夏は花火だねえ」
「そりゃあもう御隠居、こいつがあがんなきゃあ、暑っつい夏をやってけませんて」
「しかし、なんだねはっつあん、最近の打ち上げ花火には、なんつうかこの、線香花火のワビサビもミックスされてるねえ」
「さすが!御隠居だ。それですよそれ!それがシェーブツタヨーシェーの凄げえところで」
「おいおい、なんだいなんだい、そのセーブエンセンでチャーシヨーって、あんたこのジジイをナンパしようってのかい?」
「うげえっ気持ちわりいなこのジジイ」
「なにおっ!このスットコドッコイ!」
「御隠居、よっく聞いてくださいよ。生物多様性ですよ。生物多様性!」
「シェーシェーシェー?」
「だからね、いろんな生き物がいて、そいつらみんな凄いってこと。人間が考えることなんか、何万年も前にやっちゃってるんですよ。」
「それがオメエ、打ち上げ花火となんの関係があるんでぃ?」
「御隠居、打ち上げ花火に、線香花火のワビサビが欲しいって言ったでしょうが!そんなこたあ、この花が何万年も前に実現してるってことなんですよ」
「なんだ、花火じゃねえのかい、花なのかい?」
「御隠居、こらね、タケニグサってぇ花なんですよ。」
「タケニグサっておめえ、あの、そこらへんにいくらでもある毒赤チンかい?」
「ああ、そうそう傷つけるとオレンジの汁が出る...って!だ~から、そういう先入観でみちゃあいけねんだって」
「この花あね、花びらがなくって、雄しべと雌しべが花火みたいに見えるんですよ。ちょいとそこらへんの花にはできねえ思いっきりのよさがあるんでさ。ましてや我々人間がおいそれと作りだせねえ美しさがある。自然の中のもんは何でもよく見りゃあ凄げえ。だから大事にしろってことなんですよ。」
「へ~、この毒赤チンがねえ。まあたしかになかなか凄げえ花だ。」
「シェーデンなんかじゃあ、お金持ちのお屋敷なんかに植えられてるんですよ。」
「そりゃあおめえ、スウェーデンだろうが」