蒸暑い日が続いています。
今日は午後から大気が不安定になり、夕立もありました。
この暑さと湿気のおかげで田んぼの稲は、すくすくと成長しています。
さて、今日、ご紹介するのは「忘れ草」です。
みどりの山野にひときわ目立つオレンジ色の花。
ハッとするような美しさです。
この美しさのためか、古来からこの花は、人々に親しまれ、万葉集などにも数多く詠み込まれてきました。夏の季語となっており、また、悲しい心境を表す言葉として使われてきました。
「我が宿の、軒(のき)にしだ草、生ひたれど、恋忘れ草、見れどいまだ生ひず」
(万葉集)
夏の季語となっている理由は、花期が夏だからです。
では、「悲しい心境を表す言葉」として使われているのはなぜでしょう?
それは、この花が一日限りで終わってしまう花だからです。
「この花の命のように、悲しい思いを一日で忘れられたら良いのに」
と思いを込めて、歌に詠み込んでいたのでしょう。
確かに、みどり色の中にオレンジ色の花を見つけると、ハッとして気持ちが切り替わる心地です。
「忘れ花。」
日本人との関わりも含めて、とても美しい野の花です。
これからが盛りなのでぜひ、見に来て下さい。