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鳴かぬなら

2010年5月16日 /四季おりおり

やっと来ましたホトトギス。

今朝、野山北・六道山公園の上空をけたたましく鳴きながら飛んでいました。
これでカツオが食べられる。


さあ、カツオを買いに「魚屋に行こう」

 

516-katuo.jpg

 

 

今でこそ、一本600円も出せば買えるカツオですが、江戸時代は大変高価な魚だったそうで、今の物価に換算すると一匹20万円もしたそうです。

一匹20万円の魚というと、今だってそうあるもんじゃない。

思い当たる魚といえば・・・。

熱帯魚屋で売っているレッドアロワナぐらいなもの。

江戸時代、初ガツオを食べるのは、レッドアロワナを買ってきて食べるくらい凄い事でした。?

 

それでも初物喰いに血道を開けた江戸っ子。

庶民には当然手が出ない。でも初ガツオを食べると寿命が750日伸びる。

どうしても食べたい。

そこで、

「女房を質に入れても初ガツオ」

なんて川柳を詠んで、喰えないウサを、笑って晴らしました。

 

さて、カツオの調理法もいろいろとあるみたいですが、やっぱり初ガツオは、刺身にして辛子醤油が一番。巷では、生姜が流行っていますが、生姜だと水っぽくなるだけで、カツオの味が活きてこない。
その点、辛子は、初ガツオ独特の渋さをまろやかにし、旨みを目いっぱい引き出してくれる。

やっぱり、初ガツオは「辛子醤油」に限ります。

 

さあ、カツオも下ろした、辛子醤油も用意した。後は皿に盛り付けるだけ。
ここまで待ったんだから趣向をこらしたい。
カツオの赤い実が引き立つように、ちょっと濃い色の器を用意し、鮮やかなみどり色のモミジの若葉を添える。

 

さあ、食べるゾって段になって、ふと思い起こす第三の登場人物「ホトトギス」の存在。

こいつを、どう皿に盛り込むかが課題。
ホトトギス型の箸置きを用意する。

キュウリをホトトギス型に抜いて皿に添える。

いまいちパッとしない...。


「まあ、いいか、ホトトギスは。」


さあ、平成22年の初ガツオ、いただきます。
「鳴かぬなら、鳴くまで待とう初ガツオ」

待った甲斐がありました。

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