やってきました。目に青葉。
この時期、いつも悩むのが、初ガツオを食べるタイミング。
子供の頃は、近所の魚屋がカツオを仕入れた日が、初ガツオを食べる日でした。
しかし、最近は、輸送技術が発達したせいか、3月位から初ガツオが出回るので、いつ食べるかで悩んでいます。
そこで、思いついたのが、「目には青葉、山ホトトギス、初ガツオ基準」。
山の木々が萌黄色から緑色に変わり、ホトトギスの鳴き声を聞いたら初ガツオを食べるという基準です。
ホトトギスが鳴いた日に魚屋に出向き、出来れば丸ごと一匹、なければ皮つきの半身を買って、厚めに下ろして食す。なんとも嬉しい初夏の贅沢。
まあ、ここまでこだわらなくても良いのかも知れませんが、大晦日に年越しそばを食べ、節分に豆を食べ、端午の節句に柏餅を食べるのと同様に、目に青葉の季節に初ガツオを食べるのが日本の文化。いや、文化を超えた掟みたいなもの。旬にこだわる江戸っ子のつまらないやせ我慢?
それにしても、考えれば考えるほど、早く食べたくなるのが人情。
だいたい、ホトトギスは、来るのが遅すぎる。ホトトギスが他の夏鳥に比べて来日が遅いのは、例の托卵のためだそうで、他の鳥たちが巣作りをし、卵を産んだ頃を狙っているからだそうです。
まったく、とんでもない怠け鳥で、「おまえが他人に子育てを任せようとするから、初ガツオを食べるのが遅れるんじゃないか。」とホトトギスに当たってみても埒が明かない。
しかし、待てど暮らせど、ホトトギスは鳴かない。
「鳴かぬなら、殺してしまえホトトギス」
織田信長の気持ちが妙に分かる今日この頃。