※サンフランシスコの研修を終えて東京に戻っていますが、
現地から報告できなかった記事を更新しています。
これまで、サンフランシスコの
街路樹や公園、都市農園といった
身近な緑に触れてきましたが、
北カリフォルニアに残る原生林も見てみたい!
ということで、3月8日(月)は、
国定公園「Muir Woods」に行くことになりました。
(Japanese Official Map & Guide のPDFはこちら)
「Muir Woods」は、地球上で一番背が高い生物とされる
レッドウッドが現存する原生林です。
1905年、地元の実業家が、まだ伐採されていない
最後のレッドウッドの森を守ろうと土地を購入。
永久に保護できるようにと、連邦政府に寄付し、
1908年、大統領がこの地域を国定公園として宣言。
2008年に設立100周年を迎えた歴史ある公園です。
ちなみに名前は、土地を購入した実業家の要望で、
自然保護運動家のジョン・ミュア
にちなんでつけられたそうです。
設立100周年を迎える国定公園とはどんなものだろう?
レッドウッドの森とは、どんな森なのか?
どんな生き物に会えるのだろう?
と、期待に胸を膨らませながらいざ出発!
大都会サンフランシスコから車で50分ほどの場所ですが、
電車はなく、バスもこの時期は出ていないとのこと。
事前に予約してツアーに参加することにしました。
サンフランシスコのホテルでガイドの方と待ち合わせ、
現地に到着したのは、朝靄の残る朝9時前。
湿気が高く、しっとりとした空気が漂います。
「Muir Woods」の門をくぐると、
いきなり、大きな大きな針葉樹が私たちを迎えてくれました。
そう、「レッドウッド」です!!
木道の両脇に、巨大な針葉樹の森が広がり、
林床に生息しているツクシやカタバミの仲間も巨大。
なんだか小人になった気分です♪
レッドウッドは、正式には、
「コースト・レッドウッド」といい、
すべてにおいて、ビッグサイズ!
高さ 最高115.5m
樹齢 最高2000年
胸高直径 最高6.7m
樹皮の厚さ 最高30㎝
一般には、樹齢500年~800年の木がほとんどです。
林床は明るくありませんが、
レッドウッドの間からこぼれる、
木漏れ日がとても素敵な森です。
中には、その昔ネイティブアメリカンの人々が
崇めて大切にしていたというひと際立派なレッドウッドも。
昔は当たり前にあり、この森も生活の一部だったことでしょう。
産業の発展と共に、建築材として注目されたレッドウッド。
次々伐採され、サンフランシスコを襲った大地震で、
さらに木材の需要が一気に加速。
レッドウッドの森は、あっという間に少なくなったそうです。
この裏側には、きっとネイティブアメリカンの人々の
苦悩があったに違いありません...。
この貴重な森で、ランやスミレなどの花々や、
チョウ、リス、小鳥、スカンクの糞など、
様々な生き物に出会うことができました。
しかし、一番の出会いは、なんといっても
「バナナスラッグ」
これは、バナナ色をした原始的なナメクジで
体長20センチはあろうかという巨大な身体の持ち主。
ガイドの
「ヌルヌルが取れないから、触らないほうがいいよ!」
という忠告を無視しして、
「大丈夫、大丈夫。」
と手の甲にバナナスラッグを乗せてもらった私。
「OH~~~!」
とツアーに一緒に参加していたアメリカ人カップルは、完全に引き気味。
「可愛い~~~!」
とバシバシ写真を撮るbirthメンバー。
ついにレフ板を出して撮影会をはじめるN氏。
でも、ガイドの忠告を無視したのは、私だけ。
案の定?その後、水でいくら洗っても
ヌルヌルが取れず...こんなに強力なのかと驚かされました。
「この森を残さねば!」
とこの土地を買い取った地元実業家がいなければ、
私たちは、現在この豊かな森を見ることができなかったかもしれません。
公園内には、ところどころに
レッドウッドのことや、森の歴史、生き物などについての
看板が立っており、
100年前にこの森を守るために動いた人たちや
現在守り続けている人たちの
熱い想いも感じる取ることができました。
この美しい森に出会えたことを感謝しつつ、
大満足で帰途につきました。