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プルプルのわけ

2010年3月18日 /レンジャーの自然情報

春のはじめ、里山の雑木林を歩いていると、細長い棒の先に、クリーム色の花を咲かせている植物を目にします。まだ、葉の茂っていない冬枯れた雑木林の中で、春の日差しを一人占めしているこの花の名は、ヒメカンスゲ。
関東の雑木林で春の訪れを感じさせてくれる植物です。

 

100316-3.jpg

 

 

 

一見、地味な花なのですが、良く良く見ると、とても面白い花です。
大名行列の先頭を歩いている人が持っている槍のような風貌。
妖艶な雰囲気の花。
クローズアップしてみると、なかなか魅力のある花です。

 

この雰囲気を写真に収めたい。
レンズを向けてみるが、これがなかなか難しい。
千手観音の手のような花にピントを合わせ、バックをぼかせば、エキゾチックな絵になるだろう。

そう思ってピントを合わせるが、ピンは来ない。
なぜかと言えば、花が常にプルプル震え続けているから。
ほとんど風が吹いていないのに、プルプルは止まらない。

 

そこで「ハッ」と気づいたことがありました。
この花、プルプルするように出来ているのです。
細長い茎の上に、大きな花。
このバランスの悪さがプルプルの原因。

 

では、なぜ、この花はプルプルしたがるのか。
その理由は、プルプルして花粉を飛ばしているからです。
この花は、風媒花といって、雄しべから雌しべに花粉を飛ばすのに風を利用しています。

つまり、プルプルは、種族繁栄のため。
プルプルしないわけにはいかないのでした。

 

春の暖かな日差しの中で、プルプル。
ほのぼのとして、癒されます。

 

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