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シキミが伝えてくれたこと

2010年3月12日 /みどりの市民協働

この花、なんだか分かりますか?
葉っぱをくちゃくちゃすると、とても良い香りがします。


答えは、「シキミ」。
今日、練馬区にある屋敷森の中で咲いていました。

 

シキミは、お墓参りの時に供える葉っぱです。
古代にはサカキのように神事にも使われていたそうです。
一説によれば、鑑真和尚が天竺から持ってきたとも言われています。

 

100312-①.jpg

 

 

 

私の育った家では、墓にはシキミをあげ、色花はあげない、というしきたりがあります。
理由は定かではないのですが、宗派的な理由ではないようです。


というのも、墓地に行くと、入口の両側に花屋があり、右手の花屋には、色花が、左手の花屋には、シキミだけがおいてありました。つまり、同じ宗派に属していても、色花OKの家と、色花NGの家があるということです。私の家の出身地域は、みな、左手の花屋と決められており、必然的にシキミを供えることになります。

 

話は屋敷森に戻り、シキミの近くには、サカキもありました。
屋敷森の持ち主が、仏事、神事のために、シキミとサカキを植えていたのかも知れません。
もともと武蔵野台地の屋敷森は、人の手によって仕立てられたもの。
良く見ると、植えられている樹木はすべて人の暮らしに役に立つモノばかりです。


ケヤキ、カシ、カキ、マツetc。
仏事、神事用のシキミやサカキが植えられていても全く不思議はありません。
森と人が密につながっていた時代の名残を、シキミが伝えてくれました。

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