バークレーを歩いていると
高々と立ち並ぶユーカリを見ることができます。
カリフォルニア大学バークレー校内でも、
ちょっとした林のようになっています。
ユーカリといえばコアラ、オーストラリア、タスマニア。
それがなぜここで
こんなにもたくさん見られるのでしょう?
ヒントはユーカリの腐りにくさ。
ユーカリが移入されたのは
1856年と言われています。
実は、腐りにくく成長も早いという特徴を活かして
アメリカ横断鉄道の枕木に使われたのです。
カリフォルニアから東に向かって
鉄道建設を進める労働力となったのは、
当時カリフォルニアの金鉱山などで働いていた
たくさんの中国の人々でした。
当時、建設労働者の標準的な日当は3ドルでしたが、
彼らはずっと安い日当で働かされたといいます。
今私たちが立っている街の姿は
ずっと積み重なってきた時間のほんの表面。
その蓄積された時間の中には
表に出されない人々の活動が
連綿と連なっています。
そうした連なりこそが歴史を作りあげているのであり、
その中には
不当な力を行使したという事実も、
人として当然の権利を得るために
戦ってきた人々がいるという事実もあります。
そうした事実を
自分たちで残していこうとする市民の力が
バークレーには息づいています。
ユーカリの深い緑が印象的な風景は
歴史に責任を持って向き合う姿勢を教えてくれます。