3月1日(月)。
SF研修4日目です。
今日はGolden Gate Parkに向かい、
カリフォルニア科学アカデミーを見学しました。
Goiden Gate Parkは東西5km、南北800mの長方形で、
広さは日比谷公園の約28倍。
造成された公園としては世界一の広さを誇ります。
この公園には、スポーツ施設や美術館、博物館も
充実していて、今日訪れる科学アカデミーは
2008年9月にリニューアルしたばかりの博物館です。
カリフォルニア科学アカデミーは、
150年以上の歴史をもち、
環境に配慮した"グリーン"な
施設としても注目されています。
世界の熱帯雨林、アクアリウム、アフリカホール、
プラネタリウムなどが主な展示施設になります。
他の博物館に比べ、決して大きな建物とは
言えませんが、スペースを効果的に活用して
とても内容豊かな展示を行っています。
例えば、「世界の熱帯雨林」のドーム展示では、
地上部から樹幹部へと、
木々を囲むように通路が螺旋状に続き、
各階層から木々や花、ドーム内を飛び交う
様々なチョウや鳥を観察することができます。
樹幹部の高さからエレベーターで地下に降りると
これまで見ていた熱帯雨林の水中トンネルに入り
魚の泳ぐ姿を下から眺めることができます。
つまり、地上→樹幹→水中と立体的に巡りながら
世界の熱帯雨林の木々や生き物に触れることができる
構造になっています。
このまま地下のアクアリウムへと続き、
アマゾンや北カリフォルニア、フィリピンの珊瑚礁の
生き物が水槽に並びます。
大型水槽では人工的に波を起こし、明るい光を入れており、
そこを泳ぐ魚の姿を見ていると、
まるで自分が海に潜っているような気持ちになってきます。
ただ魚を見せるだけでなく、
そこに関わっている人の声を聞く展示もありました。
例えば、フィリピンの海では、調査する人、守る人、
保全する人、マングローブの苗を植える人など、
様々な立場の人がいて、その声をスピーカーから
実際に聞くことができるというものです。
その他、進化の歴史や、アフリカホール、
プラネタリウムなど、ここでは紹介し切れないほど
魅力的な展示がたくさんありました。
展示物のところに寄付者のプレートが付いていたり、
進化の歴史では人間の多様性についてもしっかり
触れていたりと、アメリカらしいものも見られました。
カリフォルニア科学アカデミーは
世界的にも大変有名な博物館ですが、
今回初めて行ってみて感じたことは、
①「自然科学」をいかに市民、子供たちに伝えていくか、
②生き物をなるべく自然に近い形に見せて、
現地といかにつなげられるか、
その熱意と工夫、そこにかけられる予算規模が
他と全く違うのだろうということです。
それは、150年という長い歴史の中で、
市民の想いや誇りを反映してきた結果であり、
単に展示技術を持っているだけでは
すぐには真似できないものなのだと思いました。