春の予感がする里山。
とは言え、まだまだ寒く、田んぼは、薄氷が張っています。
温もりを求めて、日の当たる場所を探していると、どこからか
「オーシー・ツクツク、オーシー・ツクツク」と、ツクツクボウシの鳴く声。
なんで...!?
いくらなんでも、それはないでしょう?
早春のミステリーを解明するために、鳴き声のする方へ歩いて行くと、
モズが一匹。
「こいつか」
実際に鳴いているのを見たわけではないのですが、辺りに鳴きそうな生き物と言えば、こいつだけ。
モズは、漢字で書くと「百舌鳥」。
百の舌を持ち、いろいろな鳥の鳴き真似をするとは聞いてはいましたが、セミの鳴き真似もするとは...。
すっかり騙されました。
では、なぜ、こいつは、ツクツクボウシの鳴き真似をしていたのか?
なんと、恋の季節だったからでした。
メスが近くに来ると、落ち着きがなくなり、ちょっと普段と違う素振りになり、勢い余って、「オーシー・ツクツク」なんて奇声をあげてしまうのでした。
「な~んだ、おまえ。メスの気を引こうとしていたのね...。」
鳥も人間も基本的なところは変わらないみたいですね。