狭山公園のガーデナー講座が始まります。
ガーデナー講座を見ていると、小学校3年生の時の苦い思い出が甦ってきます。
小学校3年生の時、クラスメートにA君という男の子がいました。
A君は、礼儀正しく、大人びた男の子でした。
女子生徒には優しく、成績も優秀。
誰にでも好かれる子供でした。
それにひきかえ、この私。
いわゆる悪ガキで、足し算がなんとかできる程度の成績だし、乱暴者だし、女子生徒のスカートめくるし、先生に叱られない日はありませんでした。
当然、悪ガキの私は、A君のことを快く思っていませんでした。
五月のある放課後、校庭の片隅で、女子生徒に交じって花壇づくりをしているA君を見つけました。
「ムっ!あいつ、また、女みたいな事している」
わたしはA君の所まで駆け寄り、女っぽい奴だなぁ~などと冷やかしました。
するとA君の目から大粒の涙がポロリ。
やばっ!と思った瞬間、女子生徒から猛攻撃を受けました。
「あのねぇ~、A君のお母さんは、病気で死んじゃったの。明後日は母の日だから、天国のお母さんに見えるように、花壇に花を植えているの。」
あ~!!!
やってしまったぁ~。
「ごめん...。悪かった。」
なんとか、そう言って、その場を去りました。
あれから長い時が過ぎました。
狭山公園のガーデナー講座を見物していると、あの時の光景がフラッシュバックしてきます。
A君は、いまも天国のお母さんに見えるように花壇に花を植えているだろうか。