NPO birth

公園管理のスペシャリスト
NPO birthの考える「公園力」

―「公園力」を育み、社会課題の解決に挑む

掲載:2020.6.3

Feature 1

これからの公園に求められる「公園力」。

「公園」は、いま目の前の社会課題に応えるために、かつてない重要な役割を担いはじめています。都市で、人々が自然とふれあい、きずなを育み、都市の生物多様性を守る場として。新しいまちの誕生、再生の場として。防災拠点、都会の中心となる複合型施設として。公園緑地には、これまでにない設備やデザイン、そしてそれを運営するノウハウや管理体制が必要とされています。そうした公園緑地に求められるさまざまな新しい機能を、NPO birthは「公園力」と名づけました。NPO birthは、「公園力」によって、自然共生型のライフスタイルを提案しながら、人と自然、人と人の「つながり」をつくることで、新しいコミュニティをつくり、新しいまちづくりをおこない、地域に新しい価値をつくりだし、住みやすい都市(Livable City)を創ろうとしています。

これからの公園に求められる「公園力」。
Feature 2

NPOの役割、NPO birthの役割。

経済社会は、恐慌、貧困などさまざまな社会課題を抱えています。それらの社会課題を解決するために米国で生まれたのが、市民による非営利セクターを中心とした活動、NPO(Non-Profit Organization)でした。NPOの役割は、行政の届かない地域社会や地域を越えたさまざまな課題や市民の多様なニーズを解決していくことです。そのために、人材や資源を発掘。人と人、組織と組織をつなげ、課題解決のための新たな手法を生み出す機能をもっています。日本では「特定非営利活動促進法」が平成10(1998)年12月に施行。平成23(2011)年6月には、大幅な法改正が行われ(平成24[2012]年4月1日施行)、それまで国税庁長官が認定していた認定制度が廃止、所轄庁(都道府県の知事又は指定都市の長)が認定する新たな認定制度が開始し、NPO法人が市民の身近な存在として、多様化する社会のニーズに応えていくことがますます期待されるようになりました。NPO birthは、平成9(1997)年に任意団体として発足、平成13(2001)年に特定非営利活動法人として認定された日本のNPOの草分けです。

NPOの役割、NPO birthの役割。
Feature 3

NPO birthが目指す
「人と自然が共生できる社会」

NPO birthのスタッフや、活動に参加してくださる市民の皆さんには、豊かな自然の中で幼い時期を過ごし、自然に関する豊富な知識や思い出をもつ人が多くいます。そして、「NPO birthの活動に参加したのは、まちの自然や緑、その中で培われてきた風習や文化が、年々破壊され、失われていくことに危機感を抱いたから」だと、皆さん、口を揃えます。NPO birthは、皆のそのような思いをひとつにし、都会で自然と人が共生できる環境をつくり、「人と自然が共生できる社会」、そして、自然共生型のライフスタイルを提案していくことを使命として生まれました。

NPO birthが目指す「人と自然が共生できる社会」
Feature 4

公園緑地は「都市のみどりを守る」
ための重要な拠点。

平成25(2013)年、東京都生活文化局がおこなった世論調査によると、「東京の緑を増やしたり保全することが必要」だと考える人に、その理由を尋ねたところ、最も多かった回答が、「日常生活にうるおいや安らぎを与えてくれるから」というものでした。(グラフ)みどりに包まれ、ともに支え合いながら暮らしたいという思いを抱いているのは、私たちNPO birthだけではなかったのです。いま、東京都は失われた緑の回復に努力しています。開発を行う場合は、諸制度等により空地の確保のほか、緑化が義務付けされており、近年は都心を中心に、少しずつ緑が生み出されています。(「緑確保の総合的な方針」平成28[2016]年 東京都)その中心となっているのは都市の公園緑地です。

公園緑地は「都市のみどりを守る」ための重要な拠点。

グラフ

東京都生活文化局「東京の緑・景観・屋外広告物に関する世論調査〈概要〉

東京都生活文化局「東京の緑・景観・屋外広告物に関する世論調査〈概要〉」〈平成25年1月〉より

Feature 5

公園緑地の指定管理者として、
自然と生物多様性を守る。

NPO birthは、平成18(2006)年度から、「指定管理者制度」に基づく、公園緑地の指定管理者として、現在、狭山丘陵の5つの都立公園、武蔵野の6つの都立公園と狭山・境緑道、玉川上水緑道の2緑道、多摩部にある4つの都立公園、西東京市の市立公園群の管理運営業務を請け負っています。自然環境と利用者の安全を守り、公園緑地の魅力を伝えるパークレンジャー、生物多様性を守るとともに、そのための人材を育成する自然環境マネジメントなど、「人と自然が共生できる社会」の実現を目指しています。

公園緑地の指定管理者として、自然と生物多様性を守る。
Feature 6

公園緑地を「新しいきずな」の
生まれる場所に。

都市圏では核家族や単身世帯が増加し、血縁が薄くなり、さらに昔ながらの地域で関係性をつくる「地縁・結縁」も薄くなってきているといわれています。また、その傾向は全国的な傾向でもあり、昭和35(1960)年には4.14人 だった世帯人数は、平成22(2010)年の調査では1世帯当たり2.42人と減少の一途をたどり、1人世帯が一般世帯の32.4%と最も多くなっていっている事がわかっています(総務省統計局平成22年国勢調査)。全国で7人に1人が一人暮らしという状況のなか、家族のつながりとは異なる、新しい結びつきが必要とされてきています。このような社会現象の中で、旧来の地縁結縁ではなく、自分の趣味や心地よいと感じる環境、果たせる役割などによって、人々を新しく“つなぐ場”として、近年、注目されているのが、公園緑地です。

公園緑地を「新しいきずな」の生まれる場所に。
Feature 7

これからの公園緑地に求められる多機能性。

社会の成熟化や市民の価値観の多様化が起こり、都市のインフラの一定の整備が進んだことで、公園緑地には都市や地域、そして市民のために、多機能性が求められるようになりました。 NPO birthは、イベントの企画・運営や、地域の皆さんや自治体との協働を進めるなど、魅力ある公園づくりをサポートするパークコーディネーションを積極的に推進。さらに、自然を守るために自ら行動できる人を育てるため、各種ワークショップや研修を実施するなど、公園緑地に求められる多機能性をソフト面からしっかりと支えています。

これからの公園緑地に求められる多機能性。
Feature 8

都市の公園緑地を防災・減災の拠点に。

東日本大震災以来、都立公園などの公園緑地は、災害時における住民の避難場所として、整備が進められ、都立公園58カ所が「避難場所」、35カ所が「大規模救出・救助活動拠点」や「ヘリコプター活動拠点」などに指定されています。日々、公園緑地内のパトロールに当たっているパークレンジャーは、災害発生時、緊急対応を行い、利用者の安全を確保します。また、防災活動について自治体や企業、地域の皆さんが連携して取り組む「防災ネットワーク」が、安否確認や物資の配給などをおこなう際の活動拠点として、公園緑地は重要な役割を担っています。常日頃「公園」を中心につながりをもつことは、ひとつの「防災対策」になっていくのです。

都市の公園緑地を防災・減災の拠点に。
Feature 9

エリア・マネジメントによる
「みどりのまちづくり」

NPO birthには、自治体や企業から、「地域の環境づくりのために、市民の力を結んでほしい」という要望が、数多く寄せられます。公園緑地から生まれる新しい絆は、健康づくりや子育て支援などの活動の端緒となったり、すでにある活動の活性化を促します。地域の皆さんとネットワークをつくり、企画や意見をとりまとめたり、事業を企画・運営していくエリアマネジメントの分野でも、コミュニティガーデンづくりをおこなうなど、さまざまな局面でNPO birthは「つなぐ力」を遺憾なく発揮し、ご要望にお応えします。「みどりのまちづくり」は、地域をリノベーションさせていくのです。

エリア・マネジメントによる 「みどりのまちづくり」
Feature 10

機能が複合化する公園緑地の
整備を進める「P-PFI」制度。

今後、少子高齢化の進行で税収の減少が予測され、行政は対策に迫られています。また、都市公園をまちづくりの一環としてとらえる考え方からも、商業施設などとの複合的な公園緑地の運営が考えられています。平成29(2017)年度より民間事業者が都市公園の収益施設と公共部分とを一体で整備できる公園施設の事業運営制度「P-PFI(Park Private Finance Initiative)」が創設されました。
収益施設と広場などの一体整備を進めるための制度です。
それにともない、NPO birthの活動も、拡大・成長を続けています。

機能が複合化する公園緑地の 整備を進める「P-PFI」制度。
Feature 11

外国のお客さまを、みどりの公園と
ボランティアでおもてなし。

海外からのお客さまに魅力的に映るもののひとつが、四季さまざまに移り変わる日本の自然です。世界各国から訪れるお客さまのためにも、みどりにあふれ、手入れのいきとどいた都市公園の整備が必要です。また、外国からのお客さまとそれを迎える地域の皆さんとの間に、より良いきずなが結べるよう、さまざまなボランティア活動の企画・運営やサポートも必要です。NPO birthは都立公園の指定管理者としてだけでなく、自然と人、人と人の懸け橋として、市民団体としての力を発揮していきます。

外国のお客さまを、みどりの公園とボランティアでおもてなし。
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